「ママ薬剤師は最強」というのを聞いたことありますか?

薬剤師という一生使える資格を持ち、働く時間の融通がきき、収入も安定して高め。そんな理由から”最強”といわれているようです。
薬剤師資格はあるけれど今は別の仕事をしている方、あるいは「結婚や出産と両立できるの?」と将来に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
私自身、40歳目前で製薬会社から未経験で調剤薬局に転職し、今は育児と両立しながら薬剤師として働いています。
この記事では、ママ薬剤師が“最強”といわれる3つの理由を解説し、私の転職・働き方の体験談も交えてご紹介します。
この記事を読めば「薬剤師資格を活かすとどんな働き方が可能なのか」「ライフステージに合わせてどうキャリアを築けるのか」が具体的にイメージできるはずです。ぜひ最後まで読んでください。
ママ薬剤師が最強といわれる3つの理由


ママ薬剤師が最強といわれる理由は以下の3つ。
- 給与が高い
- 働き方に融通がきく
- 転職・再就職に有利
それぞれ解説していきます。
給与・時給が高い
薬剤師は比較的高い収入が得られる職業です。
令和6年賃金構造基本統計調査によると薬剤師の平均年収は599.3万円!日本の平均年収が460万円といわれていることから、薬剤師の年収が比較的高いことがわかります。(参考:職業情報提供サイトjobtag)
パートで働く場合も時給は2,000円〜2,500円が一般的です。



1日6時間・週4日勤務、時給2,500円の場合、月給は24万円。
税金などを差し引いても、20万円前後の手取り収入が見込めます。
働き方に融通がきく
薬剤師として働く場所には調剤薬局・病院・ドラッグストアがあります。いずれの職場でもパートや派遣社員として働くことが可能です。
パートや派遣なら働く時間や日数を選べるのがメリットです。



子どもが帰ってきたときに「おかえりなさい」と言えるように短時間勤務を選んだというママさんもいます。
パートなら”14時や15時まで”、”週4日勤務”など柔軟な働き方を選択できます。扶養内パートも可能。薬剤師は時給が高いため、扶養内で働くとなると週10時間、月40時間程度の勤務でOKなので、けっこう時間の余裕があります。
転職・再就職が有利
薬剤師専門の転職エージェントがあるほど薬剤師業界では転職が一般的です。
「未経験可」「ブランク可」という求人も多く、薬剤師資格さえあれば何歳からでも挑戦できます。
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私は39歳で未経験から調剤薬局に転職しました。
また、薬剤師資格は全国共通。旦那さんの転勤で引っ越しても、全国どこでも働けるのが薬剤師資格のメリットです。
【体験談】40歳目前で製薬会社から調剤薬局に転職


薬剤師資格を持っていたおかげでブラック労働から救われた私の体験談です。
その日に仕事が終わる
私は要領が悪く仕事を抱え込むタイプ。製薬会社勤務のときは残業続きで、終わらない仕事を家に持ち帰ってやっていました。子どもたちが熟睡している夜中にこっそり起きて仕事をする毎日。終わりが見えず、ときには泣きながら通勤していました。
「これ以上は無理」と残業なしの条件で調剤薬局へ転職。
調剤薬局の仕事はその日来た患者さんに対応すればよいので、その日のうちに仕事が完結します。仕事を終えたら「やりきった」という充実感。なんて素敵!
それまでの終わりの見えない働き方から完全に開放されました。



”その日のうちに終わる仕事”というのが私にはとても合っていました
増えた子どもとの時間
残業なしを条件に調剤薬局に転職したため、配属されたのは総合病院の門前薬局。先輩薬剤師も定時であがることを前提に仕事をしており、18時の終業に向けてみんなが一気に仕事を片付けていきます。
定時で終業したら保育園へ。延長保育になりお迎えの時間は19時すぎになりましたが、帰ってからは完全に家族時間です。夕食は簡単でも子どもと一緒に食事をとれる時間はかけがえのない時間でした。
家族に優しくなれた
製薬会社時代は「早く子どもたちを寝かせて仕事しなくちゃ」という焦りが常にありました。そのため子どもがなかなか眠らないとイライラしてしまい、そんな自分も嫌になる悪循環。
調剤薬局に転職したことで家で仕事をするストレスから解放されました。子どもたちをお風呂に入れ、歯磨きをして一緒に布団に入る。寝る前の読みきかせタイムは私にとっても至福のときでした。



親のイライラって子どもに伝わりますもんね
- 薬剤師資格があったから、未経験でも調剤薬局へ転職できた
- 調剤薬局で「残業無し」の働き方を実現
- 家族の時間を取り戻した
【体験談】正社員からパートへ。時間の余裕は心の余裕


調剤薬局で働き始めた私。「残業なし」を条件に就職したはずなのに、いつの間にか残業もするようになっていました。
小学生の我が子が学校に行き渋りしだしたときも子どもを置いて仕事へ…。
「あれ?私、何のために調剤薬局に転職したんだっけ?」
その後、引っ越しのタイミングで正社員からパートで働くことを決意しました。
収入減でも得られた「時間」という価値
新しいパート薬剤師の仕事は土日休みの9時〜16時まで。自宅から車で片道10分の距離で、16時半〜17時には帰宅できる環境になりました。
正社員時代は帰宅後慌ただしく夕飯準備をしても、食べはじめるのは19時半くらい。16時までのパートになったことで、夕飯が18時になりました。
時間に余裕があるので、食事の間も子どもたちのおしゃべりにゆったり耳を傾けられます。



かつては「21時までに寝かせなきゃ!」と焦っていたのに、難なくクリアできるようになりました。
パートは時給で働くため、正社員時代と比較すると収入は半分近く減ってしまいましたが、子どもたちにゆとりをもって関われるようになったのは大きな収穫でした。
無駄な責任感からの開放
正社員のころは「今日は人が少ないから休めない」という意識がありましたが、パートになったことでそういう責任感から解放されました。
子どもの行事では遠慮なくお休みを申請し、体調不良の際は病院を受診させてから遅れて出勤など、時間の融通が利くのは本当にありがたいことです。
時間の余裕は心の余裕
早く帰宅できると、当然家で過ごせる時間が長くなります。子どもが「ママ!ママ!」と言ってこない日は、自分の時間がとれるようになりました。
時間の余裕は心の余裕も生み出してくれます。
好きな読書をしたり、エクササイズをしたり、仕事や家事以外の「自分の時間」を持てるようになったことは大きな収穫でした。
- パートになったことで時間の余裕ができた
- 子どもの寝る時間が早くなった
- 自分の時間を持てるようになった
- 収入は下がっても生活の満足度は上がった
今回の体験談については、医療職の働き方を紹介している看護師・オカダさんが取材して記事にしてくださいました。収入の壁やパート設計を詳しく知りたい方はこちら▶▶▶「ママ薬剤師のパート設計」
ママ薬剤師の働き方別メリット・デメリット比較


ママ薬剤師は正社員だけでなく、パート・派遣社員でも働けます。それぞれのメリット・デメリットについて、私の体験も踏まえてお伝えします。
正社員:安定性とキャリア継続
正社員のメリットはなんといっても給与の高さと安定性。反面、フルタイム勤務では家事・育児と両立しようとすると時間に追われるというデメリットもあります。
- 給与が高い
- 定年まで安定して働ける
- 産休・育休制度を利用できる
- 看護休暇をとれる
- 時短勤務を導入している会社もある
- フルタイムが基本のため、家事育児と両立するには時間に追われる
- 職場の雰囲気により、子どもの病気などによる急な早退や欠勤で肩身が狭い思いをする
パート:時間の自由度と家庭優先
パートのメリットはなんといっても好きな時間に働けることです。でも時給で働くため、病気などで欠勤するとダイレクトに収入が減るデメリットもあります。
- 時間の融通がきく、希望の時間で働ける
- のちのち正社員になるという選択もできる
- 正社員と比較すると給与が低い
- 時給で働くため、予定外の欠勤をすると給与が下がる
派遣・単発:高時給とスケジュール調整の柔軟さ
派遣薬剤師とは、派遣会社に登録し派遣会社を通じて派遣先企業で働く薬剤師のことです。勤務時間や曜日だけでなく働く期間も希望を出すことができます。
残念ながら私の地域では派遣薬剤師の求人はなく経験がありません。派遣薬剤師として働ける地域とそうでない地域があるようです。
- 時給が3,000円くらいとパートよりも高い
- 希望する時間・曜日で働ける
- 派遣期間が決まっているため、同じ職場で長く勤めることができない
- 人手不足のところに派遣されるため経験者が求められる
ママ薬剤師が働き方を見直す前に考えておきたい3つのポイント
家族時間と収入のバランス
家族との時間を大切にするために短時間勤務にすると、どうしても収入は下がってしまいます。そのため自分の収入が下がっても生活に支障がないか、子どもの将来の教育資金を貯めていけるか、などを考える必要があります。
とはいえ、私が転職するときにそこまで考えたわけではありませんでした。でも、転職エージェントに「年収400万円は欲しい」と伝えており、それが叶う職場に転職できました。



「年収400万円」や「月収20万円」など具体的数字をあげて相談するのがおすすめ
いくらくらいの収入がほしいのか、どれくらい家で過ごす時間を確保したいのか、それらのよいバランスがとれるといいですね。
自分のキャリアの優先順位
「バリバリ働いて偉くなって高い報酬を得たい」「薬剤師としての専門性を高めていきたい」
キャリアップしたい気持ちと家庭を大事にしたい気持ちの板挟みになることがあります。
どちらも叶えられたら最高ですが、私にはそんな器用なことはできませんでした。「子どもが小さいうちは子ども優先で、仕事は職場でだけ精一杯やればよい」と決めました。
多くの会社で定年は60歳や65歳です。それまでずっと同じ働き方をする必要もありません。



ライフステージの変化に応じて、そのときどきで優先順位を決めればよいのではないでしょうか
職場環境と人間関係の影響
育児と仕事の両立に『職場の理解があるかないか』は大きく影響してきます。
子育てをしていると、子どもの急な発熱や行事で仕事を早退したりお休みしたりすることが多くなります。「すみません」と言いながら急いで帰る時、「お互いさまだから」とか「お大事にね」などと声をかけてくれる職場であれば、心理的負担がどんなに小さくなるか。
子育てママさんが多い職場であれば、まさに「お互いさま」の環境でしょう。しかしみんなが同時期に子どもの行事や体調不良で休む可能性もあります。
子育てを終えたくらいの年齢の方がいると、子育てへの理解もあり、子どもを理由とした休みが重なる恐れも少ないでしょう。



子育てを終えた先輩薬剤師には、大変お世話になりました。
これから転職活動をされる方は、スタッフの年齢層や休みのとりやすさを確認することをおすすめします。
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結論:ママ薬剤師は最強!


薬剤師は平均収入も高く、パートでも高時給。全国どこでも働けるのが強みです。
調剤薬局ではその日受けた処方箋は基本的にその日のうちに終わるので、自宅に仕事を持ち帰ることがありません。
正社員、パート、派遣、どの働き方も一長一短ありますが、一生同じ働き方をする必要もありません。
ライフステージに合わせて柔軟に働き方を変えられるのも薬剤師のメリット!
「もっと働いて社会貢献したい」「家族との時間を大切にしたい」どちらも大事な気持ちですよね。
折に触れ、自分をとりまく環境、自分の気持ち、家族との関係などを考慮して、柔軟に働き方を変えていけばよいのではないでしょうか。
今の自分が納得できる働き方を選択してください。ともにがんばりましょう。えいえいお〜!
もしも、「転職を考えてみようかな」と思った方は、こちらの記事でおすすめの転職エージェントについて紹介しています👇️


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