薬剤師転職を考えているけれど「病院と薬局、どっちで働くのが正解なんだろう」と迷っていませんか?
特に、子育てとの両立を考えるママ薬剤師にとって、病院か調剤薬局かの選択は今後のキャリアだけでなく家族との時間を左右する重大な決断です。
結論から言うと、ワークライフバランスを重視するママ薬剤師には、『薬局薬剤師』をおすすめします。
理由は明確。薬局は夜勤がなく規則的な勤務で、病院より年収が高く求人数も10倍以上あるからです。
しかし、「チーム医療に携わりたい」「専門性を高めたい」など、臨床の最前線にこだわるなら『病院薬剤師』も正解です。実際に家事育児をしながら病院薬剤師としてキャリアを積んでいるママ薬剤師も存在します。
この記事では、病院と調剤薬局の違いを、業務内容や勤務体制、年収などの観点から徹底的に比較します。さらに、あなたに向いている職場がわかる『適性診断チェックリスト』も用意しました。
記事を読み終える頃には、「私には〇〇が合っている」と自信を持って転職活動をスタートできます。
あなたの薬剤師免許は強力な武器です。新しいキャリアへの一歩を一緒に踏み出しましょう。
病院薬剤師と薬局薬剤師の違い|比較一覧表
病院薬剤師と薬局薬剤師の違いを以下にまとめました。
| 比較項目 | 病院薬剤師 | 薬局薬剤師 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 特定領域の高度な専門知識をもつスペシャリスト | 幅広い領域の知識と接客能力のあるジェネラリスト |
| 業務の特徴 | 注射・点滴の調製、救命救急、治験業務、病棟業務 | 外来調剤、服薬指導、OTC販売、在宅医療、店舗経営 |
| 勤務体制 | 不規則(夜勤・当直・シフト制) | 規則的(店舗の営業時間、夜勤なし) |
| 患者との関係 | 短期的・集中的(入院期間中、重症患者が中心) | 長期的・継続的(地域の「かかりつけ」として深く関わる) |
| 他職種連携 | 医師や看護師とチーム医療を実践し、カルテを閲覧可能 | 在宅医療などで多職種と連携するが、情報は患者から聞き出すのが中心 |
| 年収 | 相対的に低め(平均532万円、定期昇給による年収アップ) | 高い(平均593万円、役職つきで昇給) |
| 求人数・就職 | 少ない(薬局の約10分の1、就職難易度は高め) | 多い(求人数が豊富で、未経験でも就職しやすい) |
業務内容はどう違う?スペシャリスト vs ジェネラリスト

病院薬剤師と薬局薬剤師、どちらも調剤業務がある点は共通しています。ここでは、それぞれの業務内容の異なる点を解説します。
病院薬剤師|臨床の最前線で専門性を発揮
病院薬剤師は、入院患者の治療やチーム医療、高度な製剤業務など、医療現場の最前線での専門的業務が中心です。
病院薬剤師だからこその業務内容は以下の4つです。
| 注射薬・輸液の調整 | 抗がん剤の混合調製や、無菌的な環境での注射剤調剤 |
|---|---|
| 救急救命・治験業務 | 救急外来での迅速な薬剤選択、新薬の承認に向けた臨床試験(治験)の管理 |
| カルテの閲覧 | 医師のカルテや検査データなど、臨床データに基づいた処方提案や疑義照会を行う |
| 病棟業務 | カンファレンスへの参加、入院患者への服薬指導、持参薬の鑑別 |

患者さんよりも、医師や看護師など医療スタッフと関わる機会が多いのも病院の特徴です。
- 調剤薬局と比較して業務の難易度は高め
- 患者さんと関わる頻度はそれほど多くない
- 医師や看護師など他職種との連携が必須
薬局薬剤師|地域に寄り添う健康サポート
薬局薬剤師は、外来患者への調剤や服薬指導に加え、在宅医療や一般用医薬品(OTC)の販売など、地域住民の健康を長期的にサポートする役割を担います。
薬局薬剤師ならではの業務は次の3つです。
| 在宅医療 | 患者さんの自宅や高齢者施設を訪問し、服薬指導や残薬管理を行います。 |
|---|---|
| OTC医薬品の販売 健康相談 | 処方箋がなくても購入できる薬の提案や、地域住民の日常的な健康相談に応じます。 |
| 店舗経営・管理 | 医薬品の在庫管理に加え、店舗の運営に関わる事務処理や接客業務も含まれます。 |



大手調剤薬局の場合、複数店舗をとりしきるエリアマネージャーへ昇進する道もあります。
- 業務の難易度は普通
- 患者さんとの関わりが濃く、サービス業の要素が高い
- 店舗内の限られたメンバーで業務を行うため、連携が比較的容易
勤務時間・休日の違い|子育てと両立しやすいのは?


「家事育児と仕事を両立したい」と考えているママ薬剤師さんにとって一番の関心事は勤務時間や休日ではないでしょうか。病院薬剤師と薬局薬剤師、それぞれの実態をお伝えします。



ワークライフバランスを重視するなら調剤薬局の方がおすすめです。
病院薬剤師|不規則なシフトが基本
病院薬剤師は夜勤や当直を含む不規則なシフト制になりやすい点で調剤薬局と大きく異なっています。
- 24時間体制で入院患者をケアする必要がある
- 夜勤や当直、休日出勤を伴うシフト勤務が一般的
- 固定の休みではなく4週8休のところが多い



不規則な勤務体制は生活リズムが乱れやすく、身体的負担が大きいのは否めません。
薬局薬剤師|規則的で安定した勤務
調剤薬局は夜勤がなく、店舗の営業時間に準じた安定した勤務時間で、ワークライフバランスを保ちやすい傾向があります。
- 営業時間が9時〜18時のところが多い
- 残業は少なめ(店舗による)
- 週休2日制、日曜・祝日が休みの店舗が多い(隣接する病院の休診日に準ずる)



週休3日制度を導入する職場もあり、家事育児と両立しやすい環境が整っています。
年収の違い|病院より薬局が高いのは本当?


病院薬剤師と調剤薬局薬剤師を比較すると、一般的に調剤薬局薬剤師の方が年収が高い傾向にあります。
業種別薬剤師の平均年収
| 業種 | 病院 | 調剤薬局 |
| 平均年収 | 532万円 | 593万円 |
薬局薬剤師の年収が高い理由としては、30代以降に役職手当を受け取る人が増えることや、薬剤師不足の地方では給与が高く設定されていることが挙げられます。
薬局薬剤師の場合、転職のしやすさや求人数の多さを背景に、条件の良い職場を選び年収を上げることが可能です。
一方、病院薬剤師はハードな業務内容に対して給与が抑えられがちな傾向にあります。しかし、病院は定期昇給があるため、長く勤めることで基本給が上がっていき、ボーナスや退職金も期待できます。
求人数の違い|就職しやすいのはどっち?
求人数で比較すると、病院よりも調剤薬局の方が圧倒的に多いのが現実です。
転職サイト・ファルマスタッフで公開されている約5万件の求人のうち、病院・クリニックは約3,800件なのに対し調剤薬局は約41,000件と10倍以上あります。
理由は簡単で、施設数の差が一番の要因です。
2018年(平成30年)の病院・調剤薬局の数およびそこに勤務する薬剤師数は以下のとおりです。
| 病院 | 調剤薬局 | |
| 施設数 | 8,372施設 | 59,613施設 |
| 薬剤師数 | 59,956人 | 180,415人 |
引用:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/18/dl/02sisetu30.pdf、https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000647924.pdf
調剤薬局は年々増加しているのに対し病院は減少しているため、この差が縮まることはないでしょう。
調剤薬局の方が求人数が多く就職・転職しやすい
病院薬剤師 vs 薬局薬剤師|メリット・デメリット


病院薬剤師と薬局薬剤師それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。
| 項目 | 病院薬剤師 | 薬局薬剤師 |
| メリット | ・高度な専門スキルが身につく ・長期勤務で昇給が期待できる | ・年収が高水準である ・規則的な勤務時間 ・求人数が多く、就職・転職しやすい |
| デメリット | ・相対的に年収が低い ・夜勤や当直、シフト制で勤務が不規則 ・業務内容がハードで責任が重い ・求人数が少ない | ・業務が単調になることがある ・狭い職場での人間関係の悩み ・高度な医療現場からは一歩引いた立場 |
病院薬剤師は「臨床現場での専門性」に強みがあり、薬局薬剤師は「給与面とワークライフバランス」に大きなメリットがあります。
最終的には、「医療の専門性を極めたいか(病院)」、あるいは「収入と生活の安定を重視したいか(薬局)」というご自身の価値観によって最適な選択が分かれます。
病院薬剤師 vs 薬局薬剤師|適正診断チェックリスト
病院薬剤師と薬局薬剤師のどちらが自分に適しているかを判断するための「適性診断チェックリスト」を用意しました。
適性診断チェックリスト
以下の項目のうち、自分に当てはまるものが多い方があなたの向いている職場です。
【病院薬剤師チェックリスト】
- 特定の疾患(がん、糖尿病など)の専門薬剤師をめざしたい
- チーム医療の一員として、医師や看護師と対等に議論したい
- 注射剤の混注や救命救急、治験など、高度な医療業務に携わりたい
- カルテや検査値を読み解き、臨床現場で薬の効果を間近で見たい
- 初任給よりも、長く勤めることで着実に昇給していく仕組みを好む
- 夜勤や当直、不規則なシフト勤務に対応できる体力がある
- 常に最新の医療知識や技術を学び続ける向上心がある
【薬局薬剤師チェックリスト】
- 早くから高い年収(平均500万円以上など)を得たい
- 特定の分野に偏らず、OTC医薬品を含む幅広い知識を持つ「ジェネラリスト」になりたい
- 地域住民の「かかりつけ」として、長期的で深い信頼関係を築きたい
- ワークライフバランスを重視し、夜勤のない規則的な生活を送りたい
- 患者さんへの接客やヒアリング、コミュニケーションを取るのが好きだ
- 在宅医療や店舗経営、在庫管理など、多角的な業務に興味がある
- ライフスタイルの変化に合わせて、就職や転職のしやすさを重視したい



私の場合、「ワークライフバランス重視」「患者さんとのコミュニケーションが好き」の2つにチェックがつきました(たった2つでもOKです)。
「チェックの数が同じ」という場合は『絶対にあてはまらない』ものの数が少ない方が向いていると判断できます。
まとめ|病院か薬局か?あなたにとっての「正解」を見つける近道


ここまで、病院薬剤師と薬局薬剤師の違いを比較してきました。
ワークライフバランスと高年収を叶えるなら「薬局薬剤師」
臨床の専門性とチーム医療を極めるなら「病院薬剤師」
ママ薬剤師としての私の経験から言えば、家庭と仕事を無理なく両立させるには、やはり「薬局薬剤師」が一歩リードしています。
しかし、最も大切なのは「一般論」ではなく、「今のあなたの生活にフィットする職場かどうか」です。
「調剤薬局ならどこでも定時で帰れる」 「病院は絶対にママには無理」
そう決めつけるのは危険です。「子育てに理解のある病院」もあれば「残業続きでピリピリした薬局」も存在するからです。
求人票の「残業なし」「ママさん歓迎」という言葉だけで判断して、入職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することだけは避けてほしいと思います。
「じゃあ、本当の働きやすさはどうやって見抜けばいいの?」
そう思った方におすすめなのが、薬剤師専門の転職エージェントを活用することです。 彼らは求人票には載っていない「職場の雰囲気」や「実際の残業時間」、「有給の取りやすさ」などの内部情報を熟知しています。
特にママ薬剤師にとって、条件交渉(時短勤務や休みの調整)を自分一人で行うのはハードルが高いもの。そこをプロに代行してもらうだけで、転職の成功率はグッと上がります。
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